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Hologonのオドロキ

何をやっているかと言うと、Hologon用ビューファインダーである GF-16mm の画角を調べているところです。


[Hologon Investigation]
壁に貼ったポストイットが、ファインダーで見えている範囲になります。
HologonInvestigation
Canon IXY Digital 700



Hologon を手に入れてからそろそろ4ヶ月になろうとしています。
そう、今年の桜を撮ろうと思って、勢い込んで手に入れたのでした。

手に入れたときの感動のあまりの、よくある レンズのクローズアップ画像 を撮ってみたり。

カメラを持つ手が写ると散々カメラ屋さんに脅されたので、手が写らないように Hologon画角 に慣れるための小道具 を作ってみたり。

とにもかくにも、このレンズで色々と写しまくっております。


しかし、しかしながらですよ。最近、どうも ピンッ がないのです。


手に入れた当初は、そのうれしさからか、撮れる画の面白さからか、どんどん撮っていたのです。
それは、それで、満足していた。そう、満足していたのです。

しかしながら、ここ最近は、できあがってくるフィルムが、どうもいまひとつ。
そう、自分が意図した画になっていないように思えてきたのです。

それは、フィルムカメラ特有の撮影から現像までのタイムラグのせいかもしれません。
自分のイメージと撮れた画が合わない、ということ。
撮影したときにはこのように撮れたはず(自分のイメージ)、きっといい絵になっているに違いない(妄想膨らむ)なのに、現像してみると実はなそんなことない(撮れた画)、自分のウデはたいしたことないという現実が分かる、ということなのかもしれません。

特に Hologon は、いい絵が取れているに違いない、という期待(妄想)が膨らむ傾向にあるのかもしれません。

撮影 → 現像 のタイムラグのほとんどない、撮影者のイメージがすぐにフィードバックできると言う点で、デジタルカメラを使う魅力はあります。
ただし、いちいち確認していたら、きっと、被写体との間合いが保てなくなってしまうのではないかな、と。自分的にではありますが。


妄想膨張だけでなく、どうやら、意図とは違うところが写っているのが、’こんなはずなかった感’ を発生させる一因になっているのかもしれません。
よく言う、パララックス、ですね。

Hologon の場合、カメラ本体(G1、G2)の取扱説明書にその記述があります。
曰く、
> 撮影距離により、ビューファインダーで見える範囲に対し、実際に写る範囲はおよそ図のようになります。
> この図を目安にして構図を決めてください。特に約1mより近距離で撮影する場合は、被写体が撮影画面
> からはみ出さないよう、余裕を持って構図を決めてください。
と。(G1またはG2の取扱説明書からの引用)

そこで図とは、ビューファインダーで見える範囲と実際に写る範囲を、距離で約1.5m、0.6m、0.3mの3種類で示してあります。
ここから読み取れる傾向としては、1mより近距離だと、実際に写る範囲はビューファインダーで見える範囲より下側にずれる、より近距離ほどファインダーで見えているより実際に写る範囲はより下方になる、というものです。
約1.5mが例示されているのは、ファインダーで見えている範囲より一回りほど外側が実際には写る(実際に写る範囲の内側しか見えていない)ということを示しています。


では、これがどれぐらいなのか?
定性的には解った。定量的には?


ということで、一番上の調査をしてみることにしたのです。(ここまでが長かったですなぁ....)

以下、調査および検討結果。


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A.前提条件

A1:使用機材
G1を使用しています。
よって、レンズやファインダーなどの位置関係は自分のG1で実測しています。

A2:ファインダーで見える範囲の定義
ファインダーで見えるというのは、思いっきり見える範囲を外へ広げて、というところから一歩引いています。
というのも、小生の撮影スタンスとして、スナップ撮影、つまり、三脚はほとんど使わず、手持ちで気分に応じてシャッターを切ります。
そんなときに被写体に対峙して、上下左右をじっくりと嘗め回すように探っていられない。
また、手持ちゆえ、下のほうがどこまで写るかを探っている間にカメラを持つ手がぶれて正確なところはわからない。
というところから、ファインダーを覗いてコレぐらいは一瞬で見えるであろう、という範囲を「ファインダーで見える範囲」と定義します。
検討してわかったことですが、このどこまでを「見える範囲とする」かで、このパララックスの話は、随分と変わってきそうです。
なお調査段階では、トップの画像にあるように三脚を使用していますので、限界まで見える範囲を広げたところも測ってはいます。しかしながら、この結果は、今回は出てきません。

A3.見る角度は水平方向のみ
水準器でカメラ本体の水平を取って測定した結果を使って検討しています。
ビューファインダー GF-16mm には、簡易的な水準器が付いています。
測定の段階では、この水準器の気泡が長穴の上方と下方に来るときの傾きも測定していますが、ここでは紹介しません。

A4.カメラは横位置
横位置撮影のみを測定しています。
縦位置撮影の場合は、上下と左右が変わる、と言うことになると推測しています。

A5.ビューファインダーのゆがみは無視
ビューファインダーで見える範囲が距離によって異なる、例えば、魚眼レンズのように湾曲していることは想定しません(無視します)。
もしかしたら、ファインダーは魚眼レンズ的に遠くに行くに従い、見えている範囲が広がるかもしれません。イチョウの葉っぱのように...
ここでは、コレがないもののとします。
よしんばゆがみがあった場合でも、差が出てくるのはある程度距離が遠いところと推測されます。
そうであれば、取扱説明書の図や検討結果から、ファインダーで見えている範囲の外側により広がりがあると、その精度の問題になってくるかと。
これは、意識を持つということで、対応できると考えることにします。

A6.言葉の定義
ビューファインダーで見える範囲、とは長い言葉なので、少々省略します。
可視範囲、または、Finder可視範囲:ビューファインダーで見える範囲
撮影範囲、または、Hologon撮影範囲:実際に写る範囲
右方向:被写体に向かって右側、つまり、撮影者の右側
下方向:被写体に向かって下側、つまり、撮影者の下側
Finderカバー率:撮影範囲に対する可視範囲の割合、撮影範囲(面積)に対する両者が重なっている部分の面積の比


B.測定結果(1):撮影距離約0.3mの場合

撮影距離として、まずは、約0.3mを計算してみました。
その結果を図示してみます。

[図1:撮影距離約0.3mの可視範囲と撮影範囲、絶対値表示]
青枠がファインダーの可視範囲、赤枠がHologonによる撮影範囲です。これはこれからの図の共通識別です。
目盛りは、可視範囲と撮影範囲の実際の数値(距離)で、ミリメートル表示になっています。これもこれからの図の共通識別です。
図からわかるとおり、撮影距離約0.3mのところは、ファインダーでは、幅(左右)が約0.5m(約540mm)、縦が約0.4m(約390mm)が見えています。
それに対して、Hologonで実際に写る範囲は、下方にずれていて、かつ、その範囲も一回り以上大きいことが分かります。数値にして、幅(左右)が約0.7m(約660mm)、縦が約0.4m(約440mm)が写ります。
可視範囲と撮影範囲の上下方向ずれは、下方に約100mmあります。
Finderカバー範囲は、約62%と計算されました(結果は後述)。この場合、ファインダーでは見えているが、写らない範囲(上方部分)があります。この部分は、撮影範囲をカバーしていないと判断しています。つまり、カバーできている範囲は、赤枠:撮影範囲と青枠:可視範囲の重なり部分となります。
Fig1


[図2:撮影距離約0.3mの可視範囲と撮影範囲、相対値表示]
図1では、見えたり写ったりする範囲を数値(絶対値)で表していますが、ファインダーに数値が表示されているわけではありません。
そこで、可視範囲の上下左右を固定(100)とした場合に、撮影範囲の広がりを表してみました。つまり、可視範囲に対する撮影範囲の相対値表示です。
図から、青枠の可視範囲に対して、赤枠の撮影範囲が、下方かつ全体的に広がりを持っていることがわかります。
例えば、下方には可視範囲の縦方向の約27%の下側が写ります。同様に右方向は可視範囲の左右方向の約11%外が写ります。
Fig2


C.測定結果(2):その他の撮影距離

次に、その他の撮影距離での計算もして、その結果を並べてみることにします。
ここでは、撮影距離を0.3m、0.6m、1.5m、3.0mとしています。

[図3:4つの撮影距離における可視範囲と撮影範囲、絶対値表示]
4つの撮影範囲での可視範囲と撮影範囲の数値がミリメートルで表されています。
具体的な数値(絶対値)だと、ちょっぴり解りにくいかもしれません。
Fig3


[図4:4つの撮影距離における可視範囲と撮影範囲、相対値表示]
そこで、可視範囲:青枠を固定して、撮影範囲:赤枠を見てみる相対値だと、少しは解りやすいかと。
いわばこの図が、取扱説明書に出てくる図ということになるのではないかと考えています。
0.3mでは、可視範囲に対して撮影範囲が随分と下方にずれていましたが、0.6m、1.5mとなると枠の中心があってきます。
3.0mになると、可視範囲は撮影範囲の内部になってしまいます。
ちなみに、3.0m以遠の傾向は3.0mの図とほとんど同じになります。
前提のところで挙げたファインダーのゆがみを考慮するのであれば、撮影範囲:赤枠は気持ちちょい広めと理解しておく、ということになろうかと。
Finderカバー率は、0.3mから3.0mまで、それぞれ、約62%、約68%、約71%、約71%となります。
そう、Hologonでは約3割は、見えていない範囲が写るのです。
これは、オドロキ。
これを知っているといないとでは、作画に影響しそうです。
Fig4


D.まとめ

これまで図示してきた結果を表にまとめてみます。

[表1:撮影距離における可視範囲と撮影範囲の関係]
Table1



ここまで、Hologon付属のビューファインダー:GF-16mmで見えている範囲:可視範囲と実際写る範囲:撮影範囲が異なる、つまり、パララックスに着目し、定量的な検討を試みてきました。

まとめると以下になります。(重要度などは考慮せず、順不同)

①撮影距離が近い、1mより近いと、可視範囲の下方のファインダーで見えていない部分の写り込みに注意が必要である。

②特に、0.3mよりも近く、ファインダーより下方にある、つまり、レンズに近い物体はファインダーで見えない可能性が大きい。接近撮影では、レンズそのものの直前にある物体に注意が必要。

③1.5mより以遠は、可視範囲が撮影範囲の内部にある。見えている範囲の外側に一回り、文字通り1割ぐらい大きく撮影範囲がある。ファインダーのゆがみを考慮すると、もう少し広い範囲が写るかもしれないと思っているとよい。

④撮影距離が近いところでは約4割、1.5mより以遠では約3割はファインダーで見えていない範囲が写る。

⑤ファインダーで見ていることに集中しすぎてはいけない。ここで論じているのは撮影距離。焦点距離:ピント(ついでに言えば、露出)も考慮すること。Hologon はヘリコイド操作によるマニュアルフォーカスである。ファインダーでは綺麗に見えている(自分の眼がピントを生体オートフォーカス)ため、ピントをつい忘れることあり。ピントリングを約0.9mに合わせてパンフォーカスするのも手ではあるが、作り込みを忘れるな。


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ふぅっー。
まとめてみると、反省するところもあったり、妙に納得するところがあったりで。
まさに「腑に落ちる」感があって、落ち着きますぅ。(Sonnar90mmに続いて2回目ですね)

この中では、②。実は、結構コレで何度か失敗をしてます。Hologonだけでなく、Planar45mmを使っていてもです。
それと、⑤。つい、いいぞぉー、って思ってシャッターを押して、カメラとレンズ(ピントリング)を見て、がっくり来るんですよ。ちゃらんぽらんな焦点距離と露出補正...
これって、レンジファインダーを理解していない、と言うことなんですよね。いやぁ、お恥ずかしい。



最後に写真がない、ってのも寂しいものがあるので、
Hologonを手に入れたばかりの時に撮影した、数少ない三脚で水平を取って撮影した写真をひとつ掲載します。

[Shrine With Hologon]
縦も、横も、近くも、遠くも、ぴしーっとまっすぐ。
Hologon の Hologon たる所以ような写真、と言うことになりますかね。
ShrineWithHologon
CONTAX G1 + Hologon T* 16/8, Kodak PORTRA 400NC

tag : Lens.HologonT*16/8 Camera.CONTAX-G Films.PORTRA400NC

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超広角レンズ

こんちゃ~ッス。
超広角レンズで、写真撮りたくなってきた!

Re: 超広角レンズ

> こんちゃ~ッス。

毎度どうも。

> 超広角レンズで、写真撮りたくなってきた!

ほれほれ、Hologonが欲しくなるビームっ!

超広角レンズ Hologon、この計算をしたご利益があるかとこの週末使ってみたのですが...
これからアップする写真を見てみてください。(って、期待しないでネ)
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