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Sonnar T* 90/2.8 の 罠

CONTAX-Gレンズで賛否両論あるので有名な(?)、Sonnar T* 90/2.8。
ネガティブ派の曰く、ピントが合わない。

小生も先日手に入れて初めて使ってみたところ、その卓越した描写力のすばらしさに感動したものの、やはりピントが合っていない絵が数枚。
皆さんは、これをおっしゃっているのだな、と実感した次第。
確かに、高い(?)フィルム撮影で、一枚一枚キマって欲しいのに....、と恨み節が出そうなところ、かと。

気になって調べてみました。

以下、調査報告。



まずは、理論。
被写界深度と過焦点距離。
手っ取り早く、Wikipediaで「被写界深度」で。

あ、始めに断っておきます。
式の表示はHTMLのテクがないので、昔の関数電卓調にしています。
(LaTexでも使えばね、って、もう記述の仕方も忘れてしまいましたー)


「過焦点距離:H」とは、
その距離の被写体にピントを合わせた時に無限遠が被写界深度の後端になる距離で、
数式では、

H = f^2 / N * c ・・・ (式1)

と表される、とのこと。
ここで、
f は、レンズの焦点距離で、レンズの名称とします。本来はレンズの仕様を見るのでしょうけれど。
c は、許容散乱円の直径で、35mmフィルムの場合として、0.026mm を用いることとします。
N は、レンズの絞り値です。


ある距離:s にある被写体に焦点を合わせた時の被写界深度の前端を Dn 、同様に後端を Df とすると、それらはそれぞれ次の式で表される、とのこと。

Dn = s * ( H - f ) / ( H + s - 2*f ) ・・・ (式2)

Df = s * ( H - f ) / ( H - s ) ・・・ (式3)


さて、この式を眺めてみると...

H = s 、つまり、被写体が過焦点距離に居る場合、式3の分母がゼロ、すなわち、Df(H) は 無限大(∞) になります。無限遠の焦点までが確保できる、と言うことに。

そのとき、式2に H = s を代入すると、 Df(H) = H / 2 となります。
これは、焦点が合っている手前側は、実は過焦点距離の半分であると。

ここまでで、言い方を変えてみると、
焦点距離(フォーカス)を、過焦点に合わせると、手前は過焦点距離の半分の距離から、奥側は無限遠まで焦点が合った絵が作れる、
ということになります。



さて、ここから Sonnar T* 90/2.8 の話し。
上の式を見つつ、パラメータを入力して、過焦点距離やら、被写界深度などを計算してみます。

結果は、次の表をご覧ください。
距離は m(メートル) と mm (ミリメートル) が混合していますので、気をつけてください。

[Sonnar T* 90/2.8 の 過焦点距離と被写界深度計算例]
DOF_S90


この表を見てびっくり。
F=2.8 にすると、近いもの、例えば、1mの距離の人の顔でピントが合っているのは、たった 16mm しかないのです。
16mm って、鼻の高さですよ。(そんなに高い鼻ではないかな?)
外すわけだ....

逆引きしてみると、
相手の動きやブレを想定して、焦点が合っている範囲を 30cm(300mm) 確保しようと思ったら、
1.5m先の相手を写そうとしたら絞りを 22 にまで絞り込まなければなりません。
同様に、2m先ならせめて11に、3m先なら5.6に絞ればよいことが分かります。

でもそんなに絞ったら、被写体以外にもピントが合ってしまったりするのではないかと心配に...
そう、そこが「罠」なのですよ。

いくら絞りを絞ったって、合焦範囲は30cm(この場合)。
それ以外は焦点が合いません。
ちなみに過焦点距離は f=22 の時に、やっと 14m、そう、14m ですよ。
焦点を合わそうとしている相手は、たった 1.5m 先にしか居ません。



CONTAX-Gシステムのレンズは、いずれも優秀で、明るく、分解能も高く....、だから、絞り開放で楽しみたい。

この気持ち、よーく分かります。小生も同感です。

しかしながら、Sonnar T* 90/2.8 を使って、特に、ポートレートを撮るときには、そう、ガンガン絞ればいいのです。
絞って、暗くなるのであれば、フィルムの感度を上げればいいのです。
ISO400クラスでも微粒子のフィルムはありますゆえ。


CONTAX-Gのレンズは明るいから開放で!
と思い込んでいると、はまる「罠」。

式と計算結果を見て、とっても納得した次第。
正に腑に落ちる、の感。



そこで、もうひとつ考えてみました。
この Sonnar T* 90/2.8 を絞り開放付近で使うってどういうことか、と。

現時点の小生の結論。

たった2cmでも、ピントが合っているようなシーンを絵にしたい。
それ以外は膨大にぼける。特に背景なんて、水彩絵の具がにじんでいるようにぼける。
その前面(後方)で、写したい対象にピントが合って、しっかりと浮かび上がっている。

そんな情景を撮ろうと思った時、なのでしょうか。


こりゃ、動いている相手、特に子供相手だと、キマるのはマグレに近いかも。
ならば、枚数撮るしかないかも。
ホント、かなりの覚悟が要るかも。

tag : Camera.CONTAX-G Lens.SonnarT*90/2,8

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