FC2ブログ

Zeiss 沼89丁目

蛇腹カメラ第三弾。






[Voigtlander Bessa, Anastigmat Voigtar 110/4,5]
Bessa1930-01a


このカメラは、前回の蛇腹カメラ(スプリングカメラ)第一弾の Zeiss Ikon Super Ikonta 531/2 や、第二弾の Vest Pocket Kodak と一緒にいただいたカメラの1台になります。先の2台を使って、特に、Super Ikonta は何度も使って、スプリングカメラなどのクラシックな蛇腹カメラって面白いし、いい写りするもんだなぁ、なんて思っておりました。そこで、そろそろ新たなるチャレンジをと思い、このカメラを使ってみることにしました。


[Voigtlander Bessa, Anastigmat Voigtar 110/4,5]
Bessa1930-01b


使ってみるに先立ち少し調べようと思ったものの、Webサイトには詳説された記事が見つからず、オークションなどの商品の情報ばかり。商品の記事では、外観が比較できるだけで、操作や一番知りたいカメラやレンズの成り立ちや特徴などが入手することができません。
操作方法は、なんとなくこれまでのカメラから類推することができました。もし、初めての蛇腹カメラがこれだったら、もう少し悩んでいたかもしれません。


<フィルムチャージ、フィルム巻取り>
・取っ手の部分にあるロック機構で開閉します
・黄色ベースの塗装で "Film" と書かれた方が巻き取り側、そちらに巻取りのスプールを装着します
・巻取りのスプールは金属製のタイプがベターかもしれません、長さや巻取りノブの金属ノッチに上手く合いそうなためなのと、金属ノッチに負けないように
・巻取り側のスプールとして現行のブローニーフィルム(タイプ120フィルム)のプラスチックタイプを用いても、想定大丈夫かと
・金属製スプールを用いた場合、カラーフィルムなどラボに依頼する時にスプールを返してもらうことを言い添えることを忘れずに
・"Film" と書かれていない方に未現像フィルムを装着、断面がU字(Ω字)したプラスチックに押し込むとフィルムのロールが保たれ、感光しないようです
・基本は6×9cm、スポーツファインダー(ガラスなどがない枠だけのファインダー)にはその半分のサイズである6×4.5cmがありますし、裏蓋にも赤窓は2箇所ありますので、想定、フィルムマスクでセミ版も写せるようですが、小生がいただいたこのカメラにはフィルムマスクは付いていませんでした
・フィルム番号は2つある番号読み取り赤窓のうち、未感光フィルム側を読むと6×9cm、もうひとつが6×4.5cmのもの
・撮影後巻取りは、一方、この場合、未感光フィルム側の窓に番号を合わせることになります
・多重露光防止装置はありません、撮影後速やかにフィルムを巻き取るクセをつけましょう、多重露光防止と撮影(感光)したコマを巻き取ることも期待できます

<焦点合わせ、シャッタースピード合わせ、絞り合わせ>
・焦点調節はレンズ外周を持って回します、指標はレンズ外周に振ってあります、単位はメートル(のはず)、最近接は1m
・距離計は非搭載ですので目測で合わせます、Human Rangefinderなどを利用しましょう
・シャッタースピードはレンズ正面から見てレンズ奥側のギザの付いたリングを回して指標に合わせます、最速は1/125秒
・絞りはレンズ正面から見ると更に奥、小さな爪が出ていてそれを指標に合わせます、最小絞りは22、開放はもちろん(?)4.5
・レンズの焦点距離は "11cm" と記載されていますので、6×9cmからすると、ほぼ標準となりますね(135フィルムのf:50mm付近)

<シャッターチャージ、シャッターノブ>
・シャッターチャージは、Super Ikontaなどと同様にレバーでセットします
・シャッターノブは....、これが分かりにくいのですが、カメラ本体側の銀色のトリガーのようなノブになります
・カメラの開閉時に気を抜くと、このノブからリンクされるレバーがシャッターリリースノブから外れてしまうことがあります、カメラ開閉時にはレンズ前面からシャッターリリースノブにレバーが当たっていることを確認するようにしましょう

<構図合わせ>
・スポーツファインダーとプリズムがあります
・プリズムは(小生の視力では)、目から30cmほど離すとピントが合うようです
・縦位置、横位置とプリズムも回せます、十字に切り込まれたマスクで構図が決定できます

というところでしょうか。
あ、レンズを出して撮影状態にするには、スポーツファインダーと逆側(丁度画像がない側)に小さな銀色のボッチがありますので、そこを押せばロックが外れて、開くことができます。


[Voigtlander Bessa, Anastigmat Voigtar 110/4,5]
Bessa1930-01c


操作方法はある程度類推とこれまでの経験から分かったのですが、このカメラの年代やレンズの型式が分かりません。
恐る恐るとあるクラシックカメラの重鎮に質問させていただいたところ、カメラの年代は概ね1930年代、レンズの形式はトリプレットとのこと。
レンズなんて3枚あれば十分とのご意見もいただきました。名言ですね :-p

さて、最速シャッタースピードが 1/125秒と今のカメラからするとかなり遅いのですが、当時1930年のことを推測するにフィルム感度からすると十分だったのかもしれませんね。1/125秒だと手振れは十分抑えられる程度、十分ハンドカメラと呼べそうです。
とはいえ、現代の常用フィルム感度からすると 1/125秒はちと遅すぎ。絞り開放状態の楽しさを味わうには、特に晴天の日中に撮影するのであれば、ISO100以下の低感度フィルムを用いることになります。


続いて、その撮影上結果を見てみましょう。
なお今回の試写は、モノクロフィルムだけで行っています。この手のカメラの機能習得とレンズの写りの確認をメインとしたためです。その点で、モノクロフィルムは自分で現像できて手っ取り早い、と言うことがモノクロフィルムを選択する大きな理由になっています。

最初は、efke R100 を装填してみました。
シャッターの最高速が 1/125秒ということから、ISO100 より高感度にしてしまうと、今度は絞りが間に合わなくなってしまいそうです。実はフィルムを装填する際に手が滑って、ロールフィルムの巻きが緩んでしまったのです。よって、画像の片方が若干露光気味になってしまいました。見にくいかもしれませんが、ご容赦ください。


[Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5 試写1]
Bessa1930-01d
Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5, efke R100
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


普通に写りますね。
当たり前と言えば、当たり前なのでしょうけれど、そこは80年以上のカメラなわけで、こちらとしては、ちと驚きを感じえません。
水面の太陽反射部分も大きく滲んでいることなく、とても素直に写っているように思えます。


[Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5 試写2]
Bessa1930-01e
Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5, efke R100
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


これ、ピント合わせは桟橋のポールにしたつもりだったのですが、手前の枯れ草に合ってしまっていますね。
これ以外の写真、特に、最近接:1m付近はピントが合いません、ピンボケ写真連発。
指標がフィートなのではないかと思うぐらい....
裏ふたに取り付けられた被写界深度対照表はメートル表記になっているので、本体レンズ距離合わせ指標もメートルに違いないと思っているのですが、他の撮影結果から見ると、10mより近いところのピントがどうも合いにくいようです。それがレンズにふってある指標のズレなのか、老朽化したボディーがゆえの合いにくさなのか、定かではありません。
ここまでの経験上、絞りを F=16 ぐらいにまで絞って、距離:5m以上の被写体であれば、ピントがしっかりと合うようです。
またもやクラシックカメラにお詳しい方に伺ってみると、もしかしたらフィルムのせいかもしれないとのお話をいただきました。つまり、1930年代のフィルムは今のフィルムとは趣が異なっており、ベースフィルムが少し厚めで、剛性というかしなやかさも硬かったのではないかとのこと。何がいいたいかというと、フィルム面で結像する位置がわずかに異なってしまっているのではないか、と言うことになります。厚くて剛なフィルムは裏ぶたの圧板を押すように、レンズ先端からは離れるようにやや湾曲していると想像されます。この形状に合うように、この当時はレンズやフィルムゲート(トンネル)の形状を設計しているとも聞いたことがあります。例えが適切ではないかもしれませんが、「写ルンです」などのレンズ付きフィルムの形を思い出していただければと思います。さすがにこのベッサのフィルム装着面(ゲート)にはトンネルまではないため、フィルムの厚さや剛性が自然に(成り行きに)おかれた状態になっており、近年の薄くしなやかなフィルムはより平坦に、もしかしたら、カメラ製造当時より前方(フィルム先端方向)に倣っているのではないかと。よって、遠方かつ被写界深度を深くした撮影ではその影響が小さく、近接かつ絞り開放になると想定している被写体までの距離にはピントが合いにくくなると言う。
なんとも合点の行く話しに思えないでしょうか。それを確かめるには、裏ふたを外して、ピントガラスででも....、うーん、ちょっと今の自分では実現できそうにない技になりそうです。とにかく何枚も条件を変えて(そして記録しつつ)、実際のピント位置を探っていった方が手っ取り早いかもしれません....


[Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5 試写3]
Bessa1930-01f
Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5, Kodak T-MAX 100
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


フィルムを現代の最高性能を有するフィルムのひとつである Kodak T-MAX100 に切り替えて、無理矢理、太陽を写しこんでみました(笑)
ハレーションは少なく、ゴーストも出なく(認められず)、暗部の詳細までしっかりと解像していますね。
なかなかのレンズ性能と思いますが、いかが?


[Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5 試写4]
Bessa1930-01g
Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5, Kodak T-MAX 100
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


逆光気味の構図、焦点距離は約10mに合わせての撮影。
手前の枝のボケ具合、影の表現、逆光の中の葉っぱ、80年以上前と言われなければ、あまりにも普通の写りなのかな、と。

最後にもう1枚、というか1組、似たように逆光気味のカット。どうして、そんなにレンズをいじめたがるのでしょうかねぇ(笑)
違うのは、ピント位置。5aが∞、5bが10mにしています。絞りは F=11。


[Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5 試写5a、ピント=∞、絞りF=11]
Bessa1930-01h
Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5, Kodak T-MAX 100
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus

[Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5 試写5a、ピント=10m、絞りF=11]
Bessa1930-01i
Voigtlander Bessa + Anastigmat Voigtar 110/4,5, Kodak T-MAX 100
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


5aと5bで、確かに雰囲気が違う、ピントが合っているところが違う。ピントリングの機能は、働いているようです(爆)
ただ10m以内で指標のズレがあるのか、上述の通り、ピント合わせにはもう少し経験する必要があるようです。



蛇腹カメラ第三段、フォクトレンダーのベッサ、いかがだったでしょうか。
普通に写ると言えばそれまでですが、何となく味のある、写りがドウというところまではまだなんとも言えないのですが、じっくりと付き合うと面白くなってきそうな予感のするカメラだな、と思いました。
これからの冬、やわらかい光を上手くとらえてくれそう。そんなやわらかい光を、三脚でしっかりと固定して撮影すると、いい感じの写真が撮れそう。
この時代のカメラ、なかなか面白いな、と思った次第です。

テーマ : ★カメラ&レンズ・機材
ジャンル : 写真

tag : Camera.VoigtlanderBessa Lens.AnastigmatVoigtar110/4,5 Films.efke-R100 Films.Kodak-TMAX100

コメント

非公開コメント

プロフィール

Weekend Outdoors

Author:Weekend Outdoors

検索フォーム
カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
カテゴリ
タグ
最新コメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
参加しています
にほんブログ村