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Zeiss 沼79丁目

ビオゴン好き :-)




自分の好みが分かったんです。
今頃ですが(笑)


Carl Zeiss Jena Biogon 35/2.8 C が今のところのイチバン。
写りからすると、CONTAX G の Biogon T* 21/2.8 G なんてスゴイ写り。
あっさりだけど、実はすごい実力の CONTAX G の Biogon T* 28/2.8 G。これは Leica Mマウントに改造したレンズも使っています。

で、Biogon の中でもつとに有名なレンズ、Hasselblad SWシリーズの Biogon 38/4.5。対角90度の超広角。


[Hasselblad SW: 全体像]
Hasselblad-SW-001



まさかこの自分が持つことになるとは、とまでは言いませんが、Hasselblad のカメラを知ってから、そして、友人の 500C/M を使わせてもらった頃から、「どうせ中判/Hasselbladを使うなら、SWシリーズだよね」なんて大それたことを思っていました。
とはいえ、おいそれとだせるような値段じゃないし、中古機も玉数が少ないとなったら、自分にめぐってくることは正直、当分ないかな、と。

とはいえ、想いはかなえられたというか、チャンスがめぐってきたんですね、これが。(その節は、色々とお世話になりました > 支配人♪さま)

それも、SWシリーズ初期の Super Wide。本体のシリアル番号からすると1956年製(CTW2***)。
藤田一咲さんの著作「ハッセルブラッドの日々」によれば、Super Wide は 1956年と57年の2年間にシリアル番号からだと約1100台しか製造されていないとのこと。資料によれば、700台ぐらいしか製造していない、残存しているのはほんのわずか、なんてことも聞こえてきます。
その1台が、目の前にある、ということになります。
もしかしたら、貴重な1台なのかも....



[Hasselblad SW: レンズ正面から]
Hasselblad-SW-002



このレンズ:Biogon 38/4.5 は、Tマークや T*マークが入っていません。
その通り、前玉にはコーティングがされていません。1956年という時代的にもそんなものなのかな、と。
しかしながら、後ろ玉にはコーティングがあるのです。
ここいらは、Hasselblad SW について色々と調べて参考にさせていただいたこのページにもかかれています。
その後ろ玉の迫り具合がこちら(笑)。



[Hasselblad SW: ボディー内の後ろ玉]
Hasselblad-SW-006




これでは、メンテナンス性はともかく、なんとかフォーカルプレーンシャッターを配することできたとしても、レフボックスは無理ですね。
Biogonファン(フェチ?)には、そこらへんがたまらないワケなんです。
例の Jena Biogon も時々、ContaxⅡ に装着、シャッターをBにして、後玉を愛でたりするんですよ(笑)

話は、Hasselblad SW の Biogonに戻って....
後ろ玉から見える黒いものは、奥側がシャッター、手前側が絞りになります。
シャッターはシンクロ・コンパー製で、最高速 1/500秒。シャッタースピードの刻みは、1/250のところで等分ではなくなります。(1/500, 1/250, 1/100, 1/50, 1/25, 1/10, 1/5, 1/2, 1, B)また、指標数値位置にはクリックストップがなく、指標の中間にしたからといって、中間のスピードになるのではなくて、どちかのスピードにしか切れないようです。
絞りはきれいな円形になります。ここいらへんの作りこみが、なんともうれしいんですよね。

この時代の多くのカメラがそうな通り、このSWでも露出設定は、使用者が行うことになります。
アクセサリシューは、ビューファインダーに使われていますので、首から提げた(別に提げなくてもいいのですが....)単体露出計の登場となります。
小生は Gossen の Digisix を愛用していますが、反射光測定値のまま撮影すると、アンダーになりがちです。露出計のセンサーがスポット測光に近く、比較的明るいところで計測ポイントを拾ってしまっているからではないかと推測しています。焦点距離が標準以上(f=50mmより長い)だと、経験上、その値は撮影結果といい関係になるようです。しかしながら広角レンズ使用時は、ハイエストに露出はあっていても、ローエストは早めに諧調がつぶれてしまって、カラーネガの場合かなりダルな色調になってしまいます。特に超広角レンズ、今回のようなライカ版(135フォーマット、35mmフィルム)でf:21mmともなると、単体露出計による反射光測定値と撮影結果との差が出てしまうことも多く、測定してもその値と自分の感覚のせめぎあいが生じてしまいます。
そんなときにはセンサー方向をランダムに向けて計測し、最大と最小を見てから最終判断、としています。藤田一咲さんが著作「ハッセルブラッドの日々」に書かれていますが、「空が入るような場合、露出計の値+2の露出補正(例えば、露出計指示値が EV=18 なら、EV=16 に補正して絞りとシャッタースピードを設定する)」と書かれていることが当てはまるように思います。
いちいち計測していては....、という時には「感度分の16」で撮影するということですね。



[Hasselblad SW: ビューファインダーからの眺め]
Hasselblad-SW-004



ビューファインダーには工夫があって、ボディーに埋め込まれた水準器をビューファインダー横に飛び出したプリズムで確認することができます。ビューファインダーを見つつ視線を少しだけ左にずらすと水準器の水泡が確認できるわけです。これは凝っていて、また、よく考えられているなと思いましたね。
SWシリーズを使い込まれている方のなかには、アングルファインダーを推されることが多いようですが、しばらくはこの純正ファインダーで、アイレベルで撮影を進めてみたいと思っております。

このカメラのもうひとつの特徴は、距離計測が目測なところです。
それが、このカメラを導入するのに躊躇される一因とな。
広角、それも「超」が付く広角レンズですから、距離合わせはアバウトにノーファインダーで行ってみようじゃありませんか~
と思って、使ってみて分かったのですが、中判ゆえ、被写界深度が浅いんですね、135フォーマットと比べると。パンフォーカスを意図して、少し絞ればピント合わせは大丈夫と思って、手に入れた最初この頃はピンボケ写真(焦点と構図)を乱造しておりました。あぁ、これが SWシリーズを手放す理由か、と(汗)
これは、森谷修さんが著作「銘機浪漫」にも書かれている通り、距離をしっかりと合わせることが、まず大切になろうかと。自分が主体に置きたい対象にピントが合っていないと、ね。

小生の方法は、森谷さんにも近い方法。
近距離でハズすことが多いので、手を開いて腕を伸ばすと、腕の付け根から中指先までが約60cm、SWのピントリング最近接距離にほぼ近くなる、を先ず抑えておくのです。腕の付け根というのが実はポイントで、アイレベルでカメラを抱えると、フィルム面が概ね腕の付け根になる、というもの。
左手掌にSWを載せて、右手のひらをを開いて右腕を伸ばし、手のひらで触れるような距離が約50cm、中指が触れるあたりが約60cm、と覚えるんですね。
森谷さん方式である、人間の生活から生み出された単位系:フィートを使うことを推奨されているのと、同じですね。
その先の距離は、渡部さとるさんの著書「旅するカメラ」に紹介されていた、Human Rangefinder Card です。
作ってからこの時までお守り(?)として、メモ帳のクリアファイル内に大切に(?)保管してありましたが、ここで一気に大活躍です!
十分使えることはこれまでも実証済みだったので、このたび Human Rangefinder Card Generator を再び訪れて更新しました。表がメートル、裏がフィートに。



[Hasselblad SW: 使用感]
Hasselblad-SW-005



これを言うと、あばたもえくぼ、かもしれません。

このカメラを手に入れることにした最終的な決め手は、この「使用感」なんです(笑)
コンパーシャッターの補強部材である連結シャフトの塗装が剥がれ、真鍮の地肌が出ています。そして、ボディーをホールドするときに指が触れていたために薄くなったのであろう、被写界深度を示すための指標部分の真鍮の地肌、巻き上げノブも同様に真鍮の地肌が出ています。
なんだか、この「使用感」にやられてしまったんです。1950年代、もしくは、それ以前のカメラはいくつか保有していますが、クロームボディーだったり、再塗装ボディーだったりして、このような使用感にあふれた(?)機体は、初めてなんですね。
その「使用感」に惚れてしまったというか....

それと、旧型といわれるフィルムマガジン。
巻き上げノブをまわして、チャージされる瞬間の「シャキーン」という音。
フィルムのセットを後ろののぞき窓から位置を確認するところ。そして、フィルムセットのリセットをするところ。
自動感のかけらもない(?、失礼)、機械を使っている感覚がいいなぁ、って思うんですよ。
このフィルムマガジンだと、上手くセットすると、120フィルムで13コマ撮影できるんですよね。さすがに14コマは無理らしいのですが、詳しくはこちらをご覧ください。
カラーフィルムで、お店に現像に出す場合には、無理せず、12コマ撮影でお願いしていますが、自家現像のモノクロフィルムの場合には、ぎりぎり狙って13コマ撮影をしています。
新しいA12マガジンでは、これができないのが、かえってもどかしい、と思うぐらい(笑)

それと、田中長徳さんの著書「ハッセルブラッド紀行」に旧型120マガジンに220フィルムを詰める話が出ていますが、ちょっとググッてみると、これこれ が見つかりました。
氏は回転数を忘れたと書かれていますが、この記事を読む限り、回転数にして10回、カウンタ窓に8が出るまで、とありますね。確かに120フィルムの頭出しをすると、カウンタ番号が8になりますから、220フィルムが120フィルムと同じ取扱であるならば、カウンタ番号:8を覚えておけばよいのかな、と思います。
この120用マガジンに220フィルムを詰めることを自分でやるつもりはないのですが、まずは、遮光性がばっちりのプラグの入手が前提ですね(笑)
裏紙がないことによるピントずれを気にされる記事もあったり、モノクロの220フィルムがなかったりするので(←ホントか?)、220フィルムに手を出すことはないと思います。
ま、120フィルムで12枚(または、13枚)ずつ、ゆっくりと撮影してみようかな、と。

話は少し脱線したような気がしますが、音つながりで言えば、シンクロコンパーのシャッター音も、いい!
シャッターチャージの「シャキーン」、シャッターの「カシャン」。
何度も素振りをしてしまうのです。
いいストレス発散になっているかも(笑)



[Hasselblad SW: 正面から]
Hasselblad-SW-003


実のところ、Hasselblad 500C/M に Planar T* 80/2.8 という中判のカメラの王道とも言える機材を使わせてもらって、「もしかしたら、自分には中判は合わないかもしれない」という印象を持ってしまったんですね。

<じっくりピントを攻める感覚>
ピントの薄い中判のレンズゆえでしょうけれど、ピントを合わせるのにしびれが切れてしまって....
ピントが合ってゆく瞬間、フワッと対象が浮かび上がるかのようにスクリーンに映し出される様子は、確かに感動ものです。
でも、そのために大きなピントリングをグリグリとまわしてゆくところが、もどかしくて....
ピント合わせとピントが合った像を見ることで、撮影するぞパワーが使われて、満足度も上がってきてしまい、「はい、それでオシマイ」になってしまうんです。
それも、ブラパチの比較的早い段階で。つまり、自分の撮影スタイル=気になったところを収めてゆく、では、すぐに12枚(または13枚)使ってしまうんです。どうやら中判は気に入ったところをじっくり、なスタイルが似合っているのかな、と。
ま、それはそれでいいのかもしれませんが。

<ウエストレベルのピント合わせ>
これは、プリズムファインダーを導入することで、アイレベルになることを知ったので、ほぼ解決です。
それに、全ての中判カメラがウエストレベルということはないのですが、どうも、この下を向いてピントを合わせることには、抵抗感があるのです、小生は。
肩凝りが、いっそうつらくなるというか....

<シャッター時の音>
バシャンという音。
ミラーとバックシャッター(遮光シャッター)が上下するときの音。
撮っている、という気持ちになりはしますが....

というところが、中判は自分に合わないかもしれない、という印象を焼き付けてしまったようです。
その点、SWシリーズは....
・ピントは目測(大きなピントリング=グリグリ探る必要がない)
・超広角画面に似合う場面はそうそうあるわけでないのでガンガン撮影する感じはない
・基本アイレベルでおじぎする必要はない
・レンズシャッターしかないから静かな(?)撮影
ということになるので、中判への不得意感も払拭されたというもの。
めでたしめでたし、です???


と、肝心な Biogon 38/4.5 の写りについてがまだでした。

その前に、この際だからと色々とサイトを見ていたら、小生と同じような強烈(?)な Biogon好きな方がいらっしゃることを知りました。
この方は大判の Biogon が一番とされています。小生も大判に踏み出すのでしょうか....


と・も・か・く、
写りを小生の拙作からごらんいただきましょう。


手に入れてすぐは、ともかく構図がどうのというより、映りが気になり、ヤミクモにシャッターを切っていました。


[Hasselblad SW 試写1]
Hasselblad-SW-007
Hasselblad SW + Biogon 38/4.5, Kodak Portra 160
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


なんと直線!
あえて??、見上げた構図にしていますが、どこまでも伸びる直線感が気持ちいいというか、驚きというか。


[Hasselblad SW 試写2]
Hasselblad-SW-008
Hasselblad SW + Biogon 38/4.5, Kodak Portra 160
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


大胆な直線描写だけでなく、女性の流れる髪を見てください。
1本ずつが分解して、流れているのが見て取れます。なんて繊細なんだ....


[Hasselblad SW 試写3]
Hasselblad-SW-009
Hasselblad SW + Biogon 38/4.5, Kodak T-MAX 400
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


ちゃんと水平に構えれば、こんな精緻な描写に。
うーん、これはヤミツキになりそう?

というわけで、しばらく使っていくうちに、なんとなくコツがつかめてきたような気がしてきました :-)
決め手は、やっぱり、ピント。
これを意識することで、だいぶ変わってきます。


[Hasselblad SW 試写4: 絞り開放 F=4.5]
Hasselblad-SW-010
Hasselblad SW + Biogon 38/4.5, Kodak Portra 160
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


日の丸構図ではありますが(笑)
ピントの合っている真ん中の桜の花びらをご覧ください。
絞り開放だと、こんな感じになります。ピント薄っ!
この感覚をつかむまで、どれほどのフィルムを費やしたか....(ちょっと大げさ)

近接でもう1枚。


[Hasselblad SW 試写5]
Hasselblad-SW-011
Hasselblad SW + Biogon 38/4.5, Rollei Retro 400S
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


猫のひげの描写もさることながら(?)、コンクリートの質感もいい感じです。
そこは、広角レンズゆえ、ピンポイントといってもピントが面として広がりがある、というのはご容赦いただければ。


[Hasselblad SW 試写6]
Hasselblad-SW-012
Hasselblad SW + Biogon 38/4.5, Rollei Retro 400S
Self-Development
Scanner: CanoScan 9000F + Silverfast SE plus


真逆行だと、ちょっぴりゴーストが出ます。
出ても、これがいい味だったりします、よね。



[Hasselblad SW: プラパチでのヒトコマ]
Hasselblad-SW-013



といわけで、確かにクセの強いカメラではあるものの、その描写は確かにうならせるに十分な力があることが分かりました。
12枚(または、13枚)ずつ、ぼちぼちと付き合ってゆきたいと考えています。



[Hasselblad SW: 3つの Biogon :-) ]
Hasselblad-SW-014

テーマ : ★カメラ&レンズ・機材
ジャンル : 写真

tag : Camera.Hasselblad-SW Lens.Biogon38/4,5 Films.PORTRA160 Films.Kodak-TMAX400 Films.ROLLEI-RETRO400S

コメント

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No title

遅くなりましたが、復活おめでとうございます。
やはりWeekendさんの写真と、わかり易い解説文がとても好きです。
寄り道はしましたが、年内にライカを買おうと今、お小遣いを貯めています。
また色々と教えて下さい。

今月17~19日に東京へ出張します。
もし良ければ、おススメの中古カメラ屋さんがあれば教えて下さい。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

しゅんみんさん、コメントありがとうございました。

> 遅くなりましたが、復活おめでとうございます。

ありがとうございます。ご心配おかけしました。

> やはりWeekendさんの写真と、わかり易い解説文がとても好きです。

お褒めいただき、また、参考にしていただき、うれしいです。

> もし良ければ、おススメの中古カメラ屋さんがあれば教えて下さい。

先ほど、メールさせていただきました。
少しでも参考になれば :-)
出張、お気をつけて。
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